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ServiceNow・Intuitive Surgical・Shopify 軒並み2%台下落…AI関連株に調整圧力

今日の市場全般概要及び主要特徴

2025年7月11日の米国株式市場は、主要指数が全面安となる中で調整局面を迎えました。S&P 500指数は6,259.75(-0.33%)NASDAQ総合指数は20,585.53(-0.22%)ダウ・ジョーンズ工業平均は44,371.51(-0.63%)でそれぞれ下落して取引を終了しました。

市場の不安心理を示すVIX指数は16.40(+3.93%)と上昇し、投資家のリスク回避姿勢が強まっていることを示しています。特に高成長株への売り圧力が強く、AI関連銘柄を中心に調整が進んでいます。

主要変動銘柄分析

ServiceNow Inc (NOW)

ServiceNow株価は938.78ドル(-3.03%)と大幅下落し、時価総額は1,945億ドルとなりました。同社は企業向けクラウドベースのワークフロー自動化プラットフォームを提供する代表的なSaaS企業として知られていますが、今日の取引では968.09ドルの高値から売り込まれる展開となりました。

高い成長期待に支えられてきた同社株ですが、金利上昇懸念や企業のIT投資慎重化の影響を受けて調整圧力が強まっています。投資家は同社の高いバリュエーションに対する警戒感を強めており、短期的な利益確定売りが続いています。

Intuitive Surgical Inc (ISRG)

Intuitive Surgical株価は512.06ドル(-2.66%)で取引を終了し、時価総額は1,835億ドルとなりました。同社は手術用ロボット分野のリーディングカンパニーとして、da Vinciシステムで市場を牽引してきましたが、今日は売り圧力に押されました。

FDAが同社の湾曲血管シーラーデバイスを承認したというポジティブなニュースがあったものの、市場全体の調整局面では材料視されませんでした。医療機器セクター全体の調整と相まって、短期的な売り圧力が強まっています。

Shopify Inc (SHOP)

Shopify株価は112.11ドル(-2.65%)と下落し、時価総額は1,454億ドルとなりました。カナダを拠点とするEコマースプラットフォーム企業として急成長を遂げてきた同社ですが、今日は成長株全般の調整に巻き込まれました。

同社は最近Ritual Technologies Inc.を買収するなど事業拡大を進めていますが、高いバリュエーションに対する懸念から売り圧力が強まっています。P/E比率が92.42倍と高水準にあることも、投資家の慎重姿勢につながっています。

Accenture PLC (ACN)

Accenture株価は281.06ドル(-2.53%)で取引を終了し、時価総額は1,751億ドルとなりました。グローバルなコンサルティング・IT サービス企業として安定した成長を続けてきた同社ですが、今日は市場全体の調整に連れ安となりました。

AI関連サービス需要の拡大により第3四半期の売上予想を上回ったものの、株価は下落しました。StifelがBuy評価を維持するなどアナリストの評価は依然として高いものの、短期的な調整局面では売り圧力が優勢となっています。

Mastercard Inc (MA)

Mastercard株価は550.18ドル(-2.37%)と下落し、時価総額は4,996億ドルとなりました。グローバル決済ネットワークの大手として安定した収益基盤を持つ同社ですが、今日は金融セクター全体の調整に巻き込まれました。

デジタルウォレット分野での競争激化や規制強化への懸念が株価の重石となっています。Apple、Visa、Mastercardが決済手数料で共謀したとする訴訟が却下されたものの、市場の注目度は高く、短期的な不透明感が残っています。

主要指数及び銘柄動向

S&P 500指数

S&P 500指数は6,259.75(-0.33%)で取引を終了しました。幅広いセクターで下落が見られ、特に情報技術セクターとヘルスケアセクターの調整が指数全体を押し下げました。高バリュエーション銘柄への売り圧力が強まっており、短期的な調整局面が続いています。

NASDAQ指数

NASDAQ総合指数は20,585.53(-0.22%)となりました。テクノロジー株中心の同指数は、AI関連銘柄の調整により下落しました。半導体指数SOXは5,696.29(-0.21%)と小幅下落にとどまりましたが、ソフトウェア関連銘柄の調整が目立ちました。

ダウ・ジョーンズ指数

ダウ・ジョーンズ工業平均は44,371.51(-0.63%)で取引を終了しました。30銘柄中大部分が下落し、特に金融セクターと工業セクターの調整が指数を押し下げました。

主要大型株

大型テクノロジー株では、NVIDIA株価は164.92ドル(+0.50%)と小幅上昇し、時価総額は4兆240億ドルを維持しました。同社は一時4兆ドルの時価総額を突破したとの報道もあり、AI需要の持続的な拡大への期待が支えとなっています。

Microsoft株価は503.32ドル(+0.37%)と小幅上昇し、時価総額は3兆7,409億ドルとなりました。OppenheimeerがAI分野での長期的な優位性を評価し、600ドルの目標株価を設定したことが好材料となりました。

一方、Apple株価は211.16ドル(-0.59%)と下落し、時価総額は3兆1,538億ドルとなりました。同社のCOOにSabih Khanが就任したとの報道がありましたが、市場全体の調整局面では材料視されませんでした。

Amazon株価は225.02ドル(+1.24%)と上昇し、時価総額は2兆3,889億ドルとなりました。従業員の賃金引き上げやPrime特典の拡充などのポジティブなニュースが株価を支えました。

主要規制、企業動向、技術開発など

規制動向

Apple、Visa、Mastercardが決済手数料で共謀したとする訴訟が却下されました。イリノイ州の商業者が起こした訴訟では、これらの企業が決済手数料を不当に高く設定したと主張していましたが、裁判所は原告の主張に十分な根拠がないと判断しました。

企業動向

Teslaは、CEO Elon Muskがロボタクシーサービスをサンフランシスコで2ヶ月以内に開始すると発表しました。Tesla株価は313.51ドル(+1.17%)と上昇し、時価総額は1兆98億ドルとなりました。また、同社はインドでの初回納車を8月から開始する予定であることも報じられています。

Alphabetでは、共同創設者のLarry PageがClass AとClass C株式をそれぞれ220,320株(総額約7,800万ドル)売却する計画をForm 144で届け出ました。Alphabet Class A株価は180.19ドル(+1.45%)Class C株価は181.31ドル(+1.46%)とそれぞれ上昇しました。

技術開発

Intuitive Surgicalは、FDAから湾曲血管シーラーデバイスの承認を取得しました。この新しいデバイスは、同社の手術用ロボットシステムの機能を拡張し、より複雑な手術への対応を可能にします。

Shopifyは、AI・機械学習分野への事業拡大を示唆しており、顧客のEコマースプラットフォームにインテリジェントソリューションを統合する計画を進めています。

要約及び投資注意事項

本日の米国株式市場は、主要指数が全面安となる中で調整局面を迎えました。特に高成長株やAI関連銘柄に対する売り圧力が強まり、ServiceNow、Intuitive Surgical、Shopify、Accenture、Mastercardなどの主要銘柄が2%台の下落となりました。

VIX指数の上昇は投資家のリスク回避姿勢を示しており、短期的な市場の不安定性が続く可能性があります。一方で、NVIDIAやMicrosoftなどの一部大型株は堅調な推移を見せており、AI需要の持続的な拡大への期待は依然として高いと言えます。

投資家は、高バリュエーション銘柄の調整リスクを十分に考慮し、分散投資を心がけることが重要です。また、企業の業績動向や技術開発の進捗を注視しながら、長期的な投資戦略を維持することが求められます。

株式市場は変動性が非常に大きく、投資時は注意が必要です。本文は投資勧誘ではありません。